Acronis True Image 2018を買った

しばらくブログを見ない間にはてなブログでも一定期間以上更新のないブログに広告が出るようになってました。
最近Acronis True Image 2018 を購入し、なんとかしないとと思いつつ放置してた Windows のバックアップ環境が整ってきたので、そこら辺のことをまとめてみようと思います。

システムイメージでのバックアップが非推奨に

かなり前の話なんですが、去年 Windows 10 Ver 1709 で削除された機能と、今後のWindows 10 で削除が予定されている(非推奨となる)機能の一覧が発表され、システムイメージでのバックアップ・復元機能が非推奨になりました。
Windows 10 Fall Creators Update で削除または非推奨になった機能
もともとシステムイメージを利用するには、コントロールパネルを開き、バックアップと復元 (Windows 7)を開く必要があり、追いやられてる感はあったのですが、公式ドキュメントで「他のベンダーからのディスク全体のバックアップ ソリューションの使用をお勧めします。」と書かれてしまうようになってしまいました。
そして、システムイメージを利用することにはもう一つ問題があり、回復時に表示されるスタートアップオプション画面をスクリーンリーダーやナレーターで読み上げることができず、復元時には誰かに画面を見てもらう必要に迫られてしまいます。
メインで使っているデスクトップも、使用し始めてから6 年近くたつので、ことが起きてしまう前にまともな環境を整えないとと思いつつ、つい最近までシステムイメージでのバックアップと、ファイル履歴を組み合わせてバックアップを行っていました。

True Image 2018を購入

システム全体をバックアップできるソフトはいくつかあるのですが、そのほとんどが外部メディアから実行するもので、当然単独で使用するのは不可能です。EaseUS Todo Backup はシステムを起動した状態で実行できるのですが、キーボードでの操作には対応していませんでした。
信頼性のあるバックアップ・復元をシステムを起動した状態で行え、それなりに中身を読み上げるようなものがないかと調べているときに、True Imageを見つけました。

システムを起動した状態でバックアップが行え、ショートカットキーもいくつか用意されており、かなり使えるのではないかと思いひとまず体験版を入れてみました。使用してみると、キーボードでの操作には対応しているのですが、スクリーンリーダー(PC-Talker / NVDA)での読み上げは十分とは言えず、実際にもろもろの操作を行うには仮想カーソルなどの機能を利用する必要がありました。
正直購入はかなり迷ったのですが、システムを起動した状態でのバックアップにも対応していて、エクスプローラーでバックアップデータを開くことでディレクトリ / ファイル単位での復元も行え、さらに他と比べれば圧倒的に利用しやすいこともあり、結局購入を決めました。
True Image は、永続的に利用可能なスタンダード版と、バックアップ用のクラウドストレージが利用可能で1 年ごとの更新が必要なアドバンスド/プレミアム版があり、私はノート PC でも使いたかったので、コンピュータ3 台で利用できるアドバンスド版ライセンスを購入しました。アドバンスドとプレミアムでは、利用可能なクラウドストレージの容量に違いがあります。
私が購入した時にはちょうどキャンペーン期間中で、アドバンスド3台分を 5000 円弱で購入できました(今見たら 8780 円になってた)。
購入後行った設定としては、ひとまずスケジュールバックアップを設定しました。OS がインストールされている SSD 全体を外付けの HDD とクラウドストレージに毎日一度バックアップするようにしました。バックアップ方式の設定に関してはデフォルトのままなので、5 回に一度フルバックアップが行われ、そのほかは増分バックアップという感じになっているはずです。正しくバックアップが行えているかが不安だったので、完了時にはメール通知が届くようにもしました(Windows 標準の通知にも対応してほしい)。

今後やりたいこと

バックアップから Dropbox とか OneDriveといったクラウドストレージと同期しているディレクトリを除外する設定をする必要があります。マニュアルを見ると、クラウドストレージっぽいディレクトリは除外しますというようなことが書いてあった気がしたのですが、外付けの HDD を見るとばっちりバックアップされていました。改めてマニュアルを見ると、バックアップ先などを指定する画面で除外設定が出きるっぽいんですがよくわからないですね。おそらくこのままの状態で復元してしまうと、クラウドストレージ内のファイルも復元されてしまい、共有フォルダ内のファイルも復元の巻き添えを食らってしまうことになりそうなので、これは早めに設定したいです。

まとめ

True Image 2018 を購入し 2 週間近く経ちますが、今のところ特に問題なく使用できています。現在は、True Image でのバックアップに加え、もろもろの作業ディレクトリに関してはファイル履歴でもバックアップを取っています。
スクリーンリーダーでの利用に関しては、True Image は比較的利用しやすい製品だとは思いますが、上記で書いたように仮想カーソルなどを使用しないともろもろの操作を行えなかったりするので、万人に進められるものではないような気がします。購入を検討している方はひとまず体験版を使ってみるのが良いのではないかと思います。

AccSell Meetup 013 に参加してきた

こんにちは。昨日は、サイバーエージェント 渋谷プライムプラザで開催された AccSell Meetup 013 に参加してきました。私は、これまで Web アクセシビリティをテーマとした勉強会に参加したことがなかったのですが、当日は活発に Web アクセシビリティに関する取り組みをされている当事者の方々の面白い話を聞くことができました。記憶が薄れないうちに諸々をざっとまとめておこうと思います。
AccSell Meetup 013 『ユーザーと一緒に試してみよう! ~あの○○はどこまで使えるのか~』|お知らせ|AccSell
AccSell Meetup 013 『ユーザーと一緒に試してみよう! ~あの○○はどこまで使えるのか~』 - Togetter

会場へ

当日は、渋谷駅から会場までを運営の方に誘導していただき、無事に会場にたどり着くことができました。渋谷駅からの単独での移動にはかなり不安があったので、事前にその旨を問い合わせたのですが、非常に丁寧に対応していただけました。本当にありがとうございました!

セッション 1: 「Windows 10の視線追跡操作がスゴイ!」

最初のセッションでは、株式会社インフォアクシアの植木さんによる Windows 10 Fall Creators Update から追加された視線制御機能の紹介と、視線によるマウス操作や文字入力のデモが行われました。この機能は、Windows 10 Fall Creators Update が適用された PC と、アイトラッカーデバイス Tobii Eye Tracker 4C を接続することで利用できます。
デモを行っていた方は、事前に視線追跡捜査のトレーニングを1時間ほど行ったそうなのですが、特に文字入力はかなり早くできていた印象でした。iOSバイスで VoiceOver をそれなりに使用している人が、全力でフリック入力する程度のスピードだったと思います。(誰にも伝わらない)
一方マウスカーソルの操作では、クリック操作を実行するために画面の一点を数秒間見つめる必要があるのですが、この「数秒間見つめる」という操作にはコツがいるようで、若手間取っていたような場面もありました。この辺に関しては全く想像ができないですね。とはいえ、1時間のトレーニングでかなりスムーズに PC を操作できていたのでとても驚きました。
Windows 10 視線制御 - マイクロソフト アクセシビリティ
Tobii Gaming | Eye Trackers for PC Games in Desktop, Laptops & Monitors

セッション 2: 「スクリーンリーダーを用いたユーザーテスト」

セッション 2 では、AccSell の中根さんによる Chrome と NVDA を用いたユーザーテストが行われました。「ホワイトデーのお返しを探そう」というお題で、Chrome を開くところから Yahoo!ショッピングで購入者情報を入力するまでの一連の操作が実演されました。
私自身も手元のノート PC で同じページを見つつ話を聞いていました。個人的になるほどと思ったのが、yahoo!ショッピングでカートに追加するボタンを押した後、音声でのフィードバックがされず、商品が追加されているかを判断できないということがありました。そこで、「ショッピングカートは table 要素で記述されていることが多い」ということで、中根さんは table 要素を探し、商品が追加されていることを確認していました。私は、「 table を探そう」という発想がなく、確かにショッピングカートは table で記述されていることが多いので、とても良い方法だと感じました。
セッションの最後には、ページを制作するうえで重要なこととして「適切に見出し要素でマークアップする」ということや、今回のユーザーテストを踏まえて「EC サイトのカートに入れるボタンは button 要素で記述されているとわかりやすい」といった話がありました。
それと、これはセッションと直接関係ないのですが、画像認証に対応した Rumola という Chrome エクステンションがあることを初めて知りました。割と認識制度はいいということだったので、さっそく追加しました。まだ画像認証は表れておらず試せてはいないのですが、どれほど認識してくれるのか楽しみです。
Rumola - bypass CAPTCHA - Chrome ウェブストア

セッション 3: 「ロービジョン (弱視) ユーザーによるユーザーテスト」

最後のセッションは、Cocktailz の伊敷さんによる、画面の色反転や拡大機能などを用いたユーザーテストが行われました。「楽天で2000円以下のマカロンを検索する」というお題で、一連の操作の実演が行われました。
ユーザーテスト全体を通して、ロービジョンのユーザーは全盲のユーザーと比較して困難を感じる場面が多いと感じました。画面を拡大した状態で商品の写真を見ているときに、写真にマウスオーバーすると別のコンテンツが表示されてしまい、表示しているものが消えてしまったり、購入者情報の入力などで表示されるエラーメッセージに場所によっては気づけないといったことがありました。
セッションの最後には、一番重要なこととして「コントラスト比を十分に確保する」という話がありました。私の身の回りにはロービジョンのユーザーが多くいるにもかかわらず、ページの閲覧について知らなかったことがかなりありました。

全体のまとめ

最後に、全体のまとめとして、今回のテストは一例であり、どのようなユーザーも使用している環境や視力などは異なるので、「これを実装しておけば絶対大丈夫」ということはないという話がありました。

懇親会

勉強会終了後には懇親会に参加してきました。アメーバブログFRESH!アクセシビリティ向上に取り組んでいる方のお話を聞けたのがとても印象に残っています。以前から Twitter などを見ていると、アメーバブログを利用している視覚障害ユーザーは多くいるような気はしていたのですが、様々な取り組みの結果、多くの視覚障害者が利用できるサービスができていることを知ることができました。
もう一つ印象に残っている話が、特に最近のアメリカや EU など、海外の先進国で開発された有名どころのフレームワークやライブラリはデフォルトでもアクセシビリティにある程度配慮された設計になっているということです。
アメリカやEU では、アクセシビリティの確保に関して具体的に法律で定められているため、おそらく多くのサイトで利用されるフレームワークなども法律に対応した設計になっているのだと思います。
これまでアクセシビリティの改善については、極端に言ってしまうと自力での細かな作業を繰り返すというような勝手なイメージがあったので、ちゃんとしたツールを導入することで、基本的なアクセシビリティを満たしたものを作れてしまうということに驚きました。

まとめ

以前から Web アクセシビリティに興味があり、アクセシビリティ向上に取り組む当事者や制作者の方々の話を聞くことができ、とても勉強になりました。
つい先日、大学の課題で制作したアップローダーの、ファイルを表示する部分で Datatables CDN を利用したのですが、スクリーンリーダーで意図しない読み上げをしてしまう問題があり、結局その問題は課題の締め切りまでに解決できませんでした。改善しようと思いつつ何もできていなかったのですが、Web アクセシビリティに興味があるといっている人間がこれを放置するのはよくないと思うので、春休み中には何とかしたいですね。

2017年のまとめ

こんにちは。大晦日ですね。
なんだかんだでここ最近ずっと書いてる 1 年間のまとめを今年も書いておこうと思います。今年は「1 年前のブログを振り返りませんか?」という圧力メールを見る前にエントリーを書けそうです。相変わらずまとめといえるかどうかも怪しい適当な感じになりそうですが。
lumia900.hatenablog.com
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ラックに行ってきた

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2/15 には、株式会社ラックに会社見学と視覚障害者の意見交換会に行ってきました。普段ではあまり聞くことのできない視覚障害を持つエンジニアの方の話を聞いたり、参加した他の大学生たちと視覚障害者のPCの利用についてなどいろいろと話せたのがとても印象的でした。

クレカを作った

4 月にはクレカを作り、インターネッツでの買い物やいろいろなサブスクリプションサービスへの登録などがとても捗るようになりました。8 月には iPhone 8 を使うようになり、Apple Pay やモバイル Suica も利用できるようになり、日常生活の中で現金を出す機会はかなり少なくなりました。
現金を使う機会が減ったことで、マネーフォワードでほぼ何も意識することなく家計簿をつけられるようにもなり、QOL がかなり上がりました。最高です。
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サマーキャンプで話してきた

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8/10 - 11 日には、科学へジャンプ・サマーキャンプ 2017 に学生スタッフとして参加してきました。キャンプ卒業生のワークショップの中で、大学の友人と視覚障害者のコンピュータ利用について、基本的なことを話してきました。
反省すべきところは多くあるのですが、これまでこのような企画の運営に携わったことがなく、とても良い経験になりました。

まとめ

今年は、周囲の人の様々な協力もあり、とても良い経験を多くすることができました。その一方で、毎年言ってる気がするのですが、1 年間を振り返ってみると、もっといろんなことができたんじゃないかなとも思います。今年は特に強くそう思いますね。
大学生活も半分ほどが過ぎ、今後自分のやりたいことというのも割と具体的に定まってきました。来年はそれを意識しつつできるだけ後悔のないように過ごしたいです。

今更マネーフォワードを使い始めた

こんにちは。いきなりですが、私は面倒なことが嫌いです。そんな私はこれまで生きてきた中でいろいろなものから逃げてきましたが、そのうちの一つが家計簿でした。家計簿を付けるのが大切なことはわかっているのですが、なかなか一歩を踏み出せないでいました。
そんな私が今年の8 月の中旬ごろからマネーフォワードを使い始め、今のところ問題なく使い続けることができているので、使った感じなどをなんとなくまとめてみようと思います。
家計簿アプリ・家計簿ソフト「マネーフォワード」

マネーフォワードとは

マネーフォワードは、様々な金融機関やクレジットカードなどの金融サービスと連携し、利用履歴や残高を自動で集計し、家計簿を作成してくれるサービスです。当然現金での支払いも自分で入力できます。家計簿はWeb 上や iOSAndroidから閲覧・編集できます。

上にも書いたように面倒なことが嫌いな私は、財布から現金を出すのも面倒だったので(他にも理由はある)、今年の 4 月ごろからクレカを使うようになり、現金で支払う機会が以前と比べて少なくなりました。で、これだけ現金での支払いが少ないなら、家計管理サービスを使って割と楽に家計簿をつけられるのではないかと考えたわけです。
家計管理サービスの有名どころでいうと、マネーフォワードのほかにも Moneytreeや Zaim などがありますが、連携可能なサービスが多かったのでなんとなくマネーフォワードにしました。

実際に使ってみて

画面なしで基本的に問題なく使える

私のように画面が見えない人がサービスを使ううえで一番重要になるのが、「画面なしで問題なく使えるか」ということだと思います。これに関しては、Web・iOS ともにほとんど問題なく使えます。iOS 版は若干癖がありますが、何とでもなるかなという感じでほとんどストレスなく使えています。

Amazonとの連携で手間取った

マネーフォワードと金融系サービスとの連携は基本的に簡単で、それぞれのサービスに登録したユーザー名とパスワードを入力すればすぐに連携できます。ただ、Amazon との連携が若干厄介でした。
原因はいまいちわからないのですが、ユーザー名とパスワードの入力後、画像認証を何回か求められ、結局自力で登録することができませんでした。音声などの代替手段があったらよかったなという感じです。あと、これは完全に個人的な問題なんですが、Amazon と連携した後に、もろもろのパスワードを LastPass で管理するようになり、Amazon のパスワードもランダムなものに変えてしまったので、もう一度画像認証を突破することになってしまいました。

手入力も割と簡単

マネーフォワードは財布を作ることで、手元の現金を管理することもできます。手入力はほとんど iOS から行っているのですが、時間をかけずすぐに入力できます。よく使う項目をテンプレートとして保存できるので、決まった支払いの入力はかなり楽です。私は、学食の支払いを登録しています(学食も電子マネー対応してほしい)。
私はめんどくさがりなので、手元の現金は 100 円単位で管理しています。家計簿を付ける目的によって変わってきそうですが、私は「いつどんな目的で現金を使って、現時点でおおよそどの程度残っているのか」が分かれば問題ないので、確実に大まかに記録しています。

VoiceOverだけで支払いを登録する方法

上に書いたように iOS アプリを VoiceOver のみで使う場合、若干癖があるので、支払いの登録についてだけ手順をまとめてみます。
アプリを起動すると、下のほうにタブが5 つ並んでいます。このうちラベルを何も読み上げない左から 3 つ目のタブ(「タブ、全5個中3個」と読む)を選べば支払いを登録できます。
タブを選択すると、上のほうに収入/支出の選択やカテゴリの選択、財布の選択ボタンがあり、その下にテンキーが並んでいます。まず最初にテンキーで金額を入力しましょう。あまりはっきり覚えていないのですが、最初に金額を入力してしまわないと、財布やカテゴリの選択がうまくできなかったような気がします。テンプレートを使用する場合は、一番上に並んでいるラベルの付いてない 3 つのボタンの中の 2 番目のボタンを選択しましょう。項目を入力したらテンキーの右下にある保存ボタンを押し、支払いを保存します。
これだけ読むと、特に普段 VoiceOver を使用していない人にとっては、癖ありすぎだろという感じかもしれませんが、個人的には十分使いやすい方だと思います。

ということでなんとなくまとめてみました。マネーフォワードは予想以上に使いやすいので、今後も使い続けられそうです。

科学へジャンプ・サマーキャンプ2017で話してきた

こんにちは。8/10 - 11 日の二日間、科学へジャンプ・サマーキャンプ 2017 に学生スタッフとして参加してきました。11 日には、サマーキャンプ卒業生のワークショップで話してきました。私はサマーキャンプ 2011 に参加したことがあったのですが、まさか運営側の一人として参加できるとは思ってもいませんでした。
サマーキャンプ|活動実績|科学へジャンプ 事業

サマーキャンプとは

サマーキャンプは、視覚に障害のある中高生が広い意味での科学技術分野への興味・関心を広げたり、同じ障害のある学生との交流の場を作ることを目的に 2 年ごとに行われているイベントです。私が 2011 年に参加したときにも、興味・関心の近い多くの学生と関わることができ、刺激的な 4 日間を過ごせました。

ワークショップで話したこと

今年のサマーキャンプでは、初めてキャンプ卒業生のワークショップを行うこととなりました。ワークショップの中でいくつかの企画が行われたのですが、私と大学の友人で、視覚障害者がコンピュータと仲良くするためのあれこれについて話してきました。
具体的には、タイピングに関して、特殊記号や入力の面倒な文字(ぁ、ぃなどの小さい文字、でぃ、とぅ etc)をチームに分かれてのタイピングゲームを通じて覚えてもらったり、より実践的な話として、ファイル操作など日常的に使用するショートカットキーについてや、スクリーンリーダーの音声スピードはできるだけ速めたほうがいいというような話をしてきました。

実際に話して感じたこと

このワークショップは全員が参加するものだったので、参加者の PC に関する知識も様々で、知識レベルの違う参加者に楽しんでもらう内容を考えるのにとても苦労しました。ある程度の知識のある人にとっては少しつまらないものになってしまったかもしれませんが、参加者からは割と良い反応をもらうことができました。
一方で反省点も多くあり、特にスタッフへの情報共有が不足してしまい、ワークショップ前日~当日には学生スタッフや実行委員の方に負担をかけてしまったように思います。また、個人的にも様々な場面でスタッフにサポートしていただきました。本当にありがとうございました。
私自身これまでこのような規格の運営に携わったことがなく、反省点も多くありましたが、本当に良い経験をすることができました。

MBAを1カ月使って感じたこと

おはようございますこんにちはこんばんは。私はこれまで、なんだかんだで Mac にほとんど触れたことがなく、メインの環境ではずっと Windows を使っていました。そんな中、大学からしばらくの間使う予定がなくなった MacBook Air (Early 2015)を1 か月近く前に借りることができました。1 か月近く使用し、なんとなくですが雰囲気がわかってきたので、今の印象をまとめてみようと思います。
よくある、「このエントリも現在 MBA で書いてます(ドヤッ」みたいなのをやろうとも思ったのですが、メインのデスクトップで別の作業をしていて、わざわざ記事を書くために MBA 起動するのも面倒なので、いつも通り Windows で書いてます。この文章からもわかるかもしれませんが、まだ現時点では、「Mac をメインにしても問題ないな」という境地には至ることができていません。
それと今回は、VoiceOver での具体的な操作方法などについてはあまり触れないので、関連していそうな所をいくつか張っておこうと思います。
VoiceOver スタートアップガイド(Apple 公式のドキュメント)
VoiceOverで始めるMac OS X - ARGV (Argument Vector)

使用し始めるまでのソフト的なハードルが低い

「メインではまだ使えない」というようなことを書きましたが、使いやすいと感じる部分は多くあります。まず浮かぶのが、スクリーンリーダーユーザーが Mac を使い始めるまでのソフト的なハードルの低さです。最近では、Windows のナレーターが日本語にも対応し、Windowsのセットアップをしたり、スクリーンリーダーがインストールされていないPCを画面なしで使用したりといったことが割と簡単にできるようになりました。ただ、スクリーンリーダーユーザーがまともに使えるWindows 環境を作ろうとすると、どうしても追加でソフトをインストールする必要が出てきます。
一方、Mac OS X には、VoiceOver が標準で組み込まれており、電源投入後に Command + F5 キーを押すことで、VoiceOver を簡単に起動することができ、追加のインストールなしで Mac をまともに使える環境が作れます。どちらかというと、「Mac を買う」というハードルのほうがかなり厄介そうです。

iOSとの相性が良い

まあ当然といえば当然ですが、iOS 端末との相性がとても良いです。iOS 端末を Mac と同じネットワークに接続し、同じ Apple ID でサインインしていれば、ユニバーサルクリップボードクリップボードの内容を端末間で同期したり、Safari のタブを同期したり、Handoffで中断した作業を引き継ぐといったことを簡単に行うことができます。このあたりのことは、 Apple のサイトにいろいろと詳しく書かれています。
macOS - 連係 - Apple(日本)

トラックパッドiOSライクに使える

そして地味に感動したのが、トラックパッドiOS ライクな操作感で使えるトラックパッドコマンダーという機能です。この機能は、VoiceOver ユーティリティで有効/無効を切り替えることができます。トラックパッドコマンダーを有効にすると、iOS のVoiceOver ジェスチャを Mac でも使用することができます。私自身 iOS端末の操作には慣れているので、キーボードでの操作方法が分からなくなったり、Web ページを閲覧するときなどに使っています。
トラックパッドコマンダーで VoiceOver を制御する - Apple サポート

ターミナルが使いやすい

これもとても感動したのですが、ターミナルが使いやすいです。CentOSssh して色々とやってみたのですが、例えばパッケージを更新するときに、Windows ではコマンドの実行結果をひたすら読み上げるため、更新の進捗状況をリアルタイムで把握できなかったりするのですが、Mac のターミナルでは、進捗をリアルタイムで把握することができます。これは本当に感動しました。

VoiceOverの読み上げが遅い

現在、私はVoiceOver の音声エンジンを Kyoko に、速度を100% に設定しているのですが、iOS と比較して、全体的に読み上げが遅いと感じます。速度をもう少しあげられるとよりいろいろ捗りそうです。

日本語変換の挙動が不安定なことがある

スペースを1 度押しても変換候補が読み上げられず、何度か押すと読み上げられるといったことが時々あり、候補の移動もうまく読まないことがあります。

VoiceOver修飾キーを押すのが面倒

これは慣れるしかないのですが、Windows の操作に慣れていると、VoiceOver 修飾キーを押すのが面倒に感じてしまいます。VoiceOver 修飾キー+;(セミコロン)で修飾キーをロックすることができるのですが、その状態だと例えばアプリケーションを終了する Command + q が使えなかったりします。

ということでざっとまとめてみました。Mac の操作に関しては、まだわかっていないことも多く、上に書いた問題を回避する方法があるのかもしれません。ただ、Mac の VoiceOver での操作に関して、あまり情報がないので、しっかりと Mac を使ってる人たちにいろいろ聞けたらなと思っています。

株式会社ラックに行ってきた

こんにちは。一昨日(2/15)、株式会社ラックで行われた会社見学&視覚障害者意見交換会に参加してきました。視覚障害のあるエンジニアの方が働く会社を見学したり、実際にお話しできる機会はとても貴重で、本当に有意義な時間を過ごすことができました。
2017/03/24更新:LAC WATCHに記事が公開されました。→視覚障がいを持つ学生さんがオフィスにやってきました | LAC WATCH | 株式会社ラック

ことの発端

プロエンジニアインタビュー(2):教えて! キラキラお兄さん「プログラミングは視覚障害者にオススメの職業って本当ですか?」 (1/3) - @IT
↑の記事が公開されたころ、FBで流した時にラックの方から見学のお誘いをいただきました。そして、どうせやるなら、できるだけ多く視覚障害のある学生を集めたほうがいいということになり、2/15に視覚障害者の学生を対象とした会社見学会と、視覚障害がありエンジニアとして働いている外谷さんとの意見交換会を開催していただけることになりました。

ラックへ

当日は、12:50にオフィスの最寄りである永田町駅で会社の方と待ち合わせをしていたのですが、なんだかんだで12:30過ぎに待ち合わせ場所についてしまい、時間までは駅周辺の地図を見たり、ほかの待ち合わせをしている人の様子を見たりしていました。

意見交換会

ラックのオフィスに到着し、まず初めに外谷さんとの意見交換会が行われました。大学時代のお話や、これまで関わったプロジェクトについてなど、興味深いお話を聞くことができました。
中でも、外谷さんが様々な場面で「自分のできないことはしっかりと人に任せる代わりに、できることについては全力で取り組もう」と考え、行動していることが印象的でした。人に任せることと、自分で取り組むことのバランスはとても難しく、自分自身、人に任せてしまうような場面が多いと感じました。自身でできることをしっかりと理解し、外谷さんのように行動できるようになりたいです。
視覚障害がある情報系の学生と話すこともこれまであまりなく、そういった意味でも有意義な意見交換会でした。「いかにして Linux全盲の人がまともに使うか」というような話題になり、「ターミナルで SSH して、エディタを操作するのは面倒だから、Windows 上でファイルを作って WinSCP でファイルをコピーすると捗る」という意見が出たとき、全体から「あるあるw」というような声が上がったのはなかなか面白かったです。

JSOC見学

次に、JSOC の見学が行われました。JSOC は、ラックのセキュリティサービスの拠点で、24時間365日監視対象機器への不正アクセスを監視・分析しています。ガラス越しに見学したのですが、ラックの方の説明や弱視の参加者の話を聞き、JSOC の規模の大きさを実感しました。ガラス越しなので、何かしら音が聞こえてくるかなと思っていたのですが、全く聞こえませんでした。
そして最後には、ラックが入るビルの屋上(24階)にある足湯に入ってきました。国会議事堂、東京スカイツリー、東京タワーなどを見ることができるらしく、天気も良かったので景色はかなり良かったんじゃないかと思います。
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↑24階から撮った写真。
足湯で暖まり、見学・意見交換会は終了です。本当に有意義な時間を過ごすことができました。見学に誘っていただいたまっちゃさん、外谷さんを初め、多くの方にサポートしていただきました。本当にありがとうございました!

その後

見学会終了後、せっかくだからということで参加した大学生たちとご飯を食べつついろいろと話すことに。ほとんど話したことがなかった人や、数年前に話して以来まったく連絡を取っていなかった人といろいろと話ができてとても面白かったです。全員が決して初対面ではないというところがなかなか面白いところですね。その中でも、視覚障害がある情報系の大学生が、もっと情報交換できるようななにかしらがあるといいよなという話をしたのが印象に残っています。
視覚障害者がコンピュータを使ううえでのあれこれというのは、あまり広く知られていないことも多く、実際に意見交換会やその後の食事の中で多くの情報を得ることができました。今後も、何かしらの形でこのメンバーや他の同じ境遇の人たちとも関わっていきたいです。